踊る目覚め




3


良い天気で気持ちよかったので、文化センターへ行くのに、近くの公園を通っていくことにした。

「やえかさん。」
勉強友達の白木さんに会った。シンプルな白いシャツが似合う。
一緒にお茶を飲もうとカフェに入った。

「あ、そういえば、そこでなるみ君に会ったよ。」
ストローでコーヒーを飲みながら、白木さんは言う。
「時々呆けながら、何か書いていたよ。多分、童話か童謡だと思う。あの人も好きだよね」

白木さんも、よく彼に、つくった作品を見せてもらうようだった。
(そうだ、今日は思い切って、なるみ君の書いた本がほしいって、言いに行こうと思ったんだった…)

この間は失礼な態度をとったし、そのことを含めて言うためにも会わなければ。)
「私ちょっと、なるみ君に会ってくるね。お願いすることがあるの」
「じゃ私も行く」
(えっ)
やえかは少しあせった。どうもなるみ君の童話が好きとか、童謡のCDを聴きたいと思われるのは照れる。
(でも、しかし、いいか、白木さんはストレートな性格だけど、口堅いし)
多少童謡しながら、なるみを探し、小川沿いで見つけた。
なるみは、小川沿いに立つ大きな木々の木漏れ日の中に立っていた。

紺のジーンズと、オレンジのTシャツを着た彼は、こちらに背中を向け、動かない。




なるみは、やえか達が来る30分ほど前に、沿いの素敵な住宅が並ぶ道を歩いていた。

音を立てて、小川の水が木々の木もれ日の中で流れ続けた。
なるみは、急に優しい気持ちが起き、その気持ちに合った人物や、景色が思い浮かんだ。

自分の行く方向に、なにかある。

それは、ひとにとってとてもあたたかい、心地よい存在であるような気がした。
近づいてみよう。
前へ歩いて、近づいていくうちに、なるみは、自分があたたかな心地になっていくことに気がついた。

なぜ、みんな離れていくのだろう、こんなに感じがいいのに。

とうとう、それに出会った。それは、ふわふわして、優しくて、触れてみるとなんともいえないやわらかさがあり、
眠くなってくる…。




なるみは、自分が小川沿いでぼうっとしていたことに気がついた。
(今、俺、話作ってたな…。)
でも、いつも作っているというよりは、思い浮かぶ感じだった。

そして、ノートと鉛筆を取り出し、今、思ったことを書いてみたが、
なかなか創造を、上手に、言葉にできなかった。




つづく